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叢原/山口 華楊

叢原(そうげん)

山口 華楊(やまぐち かよう) 昭和46年(1971)頃

作品解説

 やさしい色使いと背中の尻尾に見られる丸みの中に、画家の対象に対する愛情ある眼差しが感じられる作品です。

 的確な写生が同系色の背面より主題を際立たせ、森の中でまるでそこだけ光があたった様な温かさで包まれています。金色に光る狐は振り返って観る者を捉え、観る者は狐について行きたくなるような錯覚に陥ります。

作家紹介

 生没年:明治32年〜昭和59年(1899〜1984)

 京都に生まれ、12歳より西村五雲について絵を学ぶ。のち絵画専門学校入学、在学中から文展に出品。卒業後は帝展に出品し、昭和2〜3年(1927、1928)とたてつづけに特選となる。一方、五雲塾晨鳥社展にも毎回力作を発表。昭和17年(1942)より母校の教授として後進の指導にあたるとともに、戦後は京展、日展などの審査員をつとめる。竹堂、五雲の系列をひく、鋭い理知的な画質に、構成的なものを取り入れ、さらに幅広い画風を展開し、晩年は慈愛のこもった眼で対象を見つめた温雅な動物画を描き、昭和56年(1981)に文化勲章を受ける。

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