展覧会詳細                  
〜松伯美術館所蔵による〜 ●
           平成18年6月13日(火)〜7月30日(日)
 

松伯美術館は三代にわたって日本画家である上村松園、松篁、淳之の作品を収蔵、展示する目的で平成6年(1994)年に奈良市に開館した美術館です。
 上村松園(明治8年〜昭和24年)は、気品に満ちた優美で清澄な女性を描くことを得意としました。上村松篁(明治35年〜平成13年)は幼少の頃より小動物を飼育し、鳥や花の持つ“自然の色”を愛してそのまま表現したいと願いました。上村淳之(昭和8年〜)は、無類の愛鳥家としても知られており、父松篁が「自然の鳥と暮らしたい」という夢を実現する為に建てた「鳥の鳴く家」唳禽荘(れいきんそう)を自宅として、現在もたくさんの鳥達と暮らしながらその姿を写しています。
 本展では松伯美術館所蔵の上村三代の作品より珠玉の約50点をご紹介いたします。三者それぞれの眼差しと、作品に注がれた愛情を感じて頂ければ幸いです。交換展として同時期に松伯美術館にて名都美術館所蔵名品展「華麗なる日本画の美」の開催を予定。


「楊貴妃」大正11年
第4回帝展出品
上村松園
 

 唐の時代玄宗皇帝に寵愛を受け、絶世の美女とうたわれた楊貴妃が浴後にくつろいだ様子である。薄手の夏衣をまとった妃の肌はなまめかしくも透き通るほど白く、微笑をたたえた表情は優雅で気品にあふれている。
 松園は透かしてみえる素材の表現を得意としており、この作品の中にも随所に見ることができる。特に絹張りの戸の向こう側の侍女や調度品はその色調に充分な配慮がなされており、妃の輝きを際立たせのに効果的である。また一筋筋丁寧に描き出された簾の、夕風を受けてなびいた隙間から外の景色が見えるという演出が、いかにも涼しげである。

「月夜」昭和14年
第3回新文展出品
上村松篁

「月汀」平成10年
春季創画展出品
上村淳之

<講演会>
「日本画の美意識」
◆6月17日(土)13:00〜

◆講師:松伯美術館 館長

    日本画家 上村淳之 先生

◆定員:50名(美術館までご予約ください)

      *たくさんのご参加有難うございました。

◆参加費:無料(入館料のみ)
 主催:名都美術館・朝日新聞社・メ〜テレ
 講演会:長久手町・愛知県教育委員会・名古屋市教育委員会・長久手町教育委員会
 特別協力:松伯美術館
 入館料:一般1,000円、大学生700円、中学生500円、小学生以下無料
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