<常設展> 冬の所蔵名品展
平成19年12月1日(土)〜 12月24日(月・祝)
所蔵の近現代日本画の中より1年のしめくくりにふさわしい珠玉の作品の数々をご紹介致します。
年末の慌しい時に、ほっと一息絵画との語らいをしてみませんか。

   <展示作品のご紹介>

   
 濃茶の背景に金の細線でいろいろな
 秋草を描いています。

 全てが黄金色に光る秋野の中にうずくまるような
 2匹のすずめ。

 冬が近いせいか、羽毛はふっくらと膨らんで、
 なんとも愛らしい様子です。
「 高原の秋 」1971年 41歳
平山 郁夫(1930- )
(ひらやま いくお)


 雪景色を得意とした川合玉堂、円熟の作品です。
 つい先ほどまで雪が降っていたのでしょう、
 屋根、山、枝木、画面手前の人物にひかれた馬の
 背の荷にもこんもりと雪が積もっています。

 わずかに薄墨を塗られた空の暗い様子から、
 まだこれからも雪は降り続くようです。
 雪の部分には白い顔料を使っていません。

 濃淡をつけた墨線で風景の輪郭や影を描くことで、
 地の色を雪景色にみたてているのです。
 墨のにじみ具合、筆あとまでもが、
 あのぽってりとした雪の質感をなんと見事に
 表現していることでしょう。

 画面全体が静寂に包まれています。
 そして、厳しい自然と折り合いながら暮らす
 人々の生活が、たった一人の馬を引いた人物から
 びしびしと伝わってきます。
 「寒いなあ・・・」
 「急がなければ日が暮れてしまう・・・」
 などとつぶやいているのかもしれません。
「 山家積雪 」
川合 玉堂(1873-1957)
(かわい ぎょくどう)

他、田渕 俊夫(たぶち としお)、牧 進(まき すすむ)、前田青邨(まえだ せいそん)、
山口 華楊(やまぐち かよう)、安田 靫彦(やすだ ゆきひこ)などの作品をご紹介いたします。


 <イベントのお知らせ>

   ♪筑前琵琶の調べ♪
    
   

     12月16日(日)14:00〜
    
     筑前琵琶奏者 久世 旭如(くぜ きょくじょ)
     定員:50名(美術館までお電話にてご予約下さい
        定員になり次第締め切らせていただきます)
     参加費:無料(入館料のみ)

    『平家物語』より
     1.「祇園精舎」
     2.「粟津の落日」
     3.「那須与一」

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