<特別展>  〜美の大饗宴〜 美人画の三巨匠  ●
上村松園(うえむらしょうえん),鏑木清方(かぶらききよかた),伊東深水(いとうしんすい)
平成20年10月7日(火)〜 11月24日(月・祝)
前期10月7日(火)〜10月26日(日)/後期10月27日(火)〜11月24日(月・祝)
*前期と後期で展示作品は大半が入れ替わります*

上村松園(うえむらしょうえん)、鏑木清方(かぶらききよかた)、伊東深水(いとうしんすい)は、美人画を語る上では欠かせない、三巨匠と評される画家たちです。明治〜昭和にかけて京都、東京の日本画壇で活躍し、それぞれの個性をもって当時の風俗、歴史、文学などに登場する女性を描きました。

 
上村松園( 1875 〜 1949 )

 京都に生まれる。幼い頃から画才を認められ、明治20年(1887)京都府画学校に入学、また鈴木松年の画聖に通う。21年後素如雲社展に初入選。26年幸野楳嶺に師事、28年楳嶺が没すると、その門下の竹内栖鳳に師事して、日本美術院協力展ほか、国内外の美術展・博覧会で受賞を重ね、実力ある閏秀画家として、名を知られるようになる。
 以後、文展、帝展ほか博覧会などに出品、受賞し、帝展委員を経て、昭和11年(1936)秋の文展招待展に、後に国の重要文化財として認定される「序之舞」を出品。19年帝室技芸員となる。清明で格調高い芸術を創造、戦後の昭和23年(1948)女性初の文化勲章を受章。

「 晴日 」上村松園
第6回京都市展
昭和16年制作

京都市美術館蔵(後期展示)
「 花がたみ」上村松園
第9回文展
大正4年制作

松伯美術館蔵(前期展示)

「 秋宵 」鏑木清方
第15回日本絵画協会
第10回日本美術院連合絵画共進会展
明治36年制作

鎌倉市記念鏑木清方美術館蔵(前期展示)
鏑木清方(1878〜1972)

 東京神田に生まれる。多才な父の影響を受け、幼少期から文学や芝居に親しむ。明治24年(1891)風俗画家水野年方に師事、27年父の発刊する「やまと新聞」の挿絵を師年方から引継いだのをきっかけに、新聞、雑誌や小説の口絵・挿絵なども手がけ、挿絵画家として知られるようになる。

 一方、30年代から日本絵画協会の絵画共進会に本画を出品。明治42年(1909)第3回文展で初選以後毎回文展に出品し受賞。豊かな画才を大きく開花させ、郷愁を秘めた清々しい風俗画の名作を発表する。帝展にも出品を重ね、昭和4年(1929)には帝国美術院会員となる。戦後は昭和24年(1949)第5回日展への出品を最後として、その後は卓上芸術に磨きをかけ、画廊主催展が主な制作発表の場となる。29年文化勲章を受章、文化功労者となる。

「 初冬の花 」鏑木清方
第6回七絃会展出品
昭和10年制作

東京国立近代美術館蔵(後期展示)
 
伊東深水(1898〜1972)

 東京深川に生まれる。東京印刷の活版工から図案部に移り、鏑木清方に入門。明治45年(1912)巽画会第12回展に初入選、大正3年再興第1回院展に入選したのをきっかけに画家としての道を歩み始める。4年清方主宰の郷土会が結成され、その定期展や文展、院展に相次いで入選するが、その後出品から離れ挿絵や口絵にも打ち込んだ。大正11年(1922)平和記念東京博覧会での受賞後、重なる帝展での受賞で、美人画家としての地位を確立する。
 また、自ら青衿会などの画会を結成する一方、戦後は日展で審査員をつとめ、昭和23年(1948)第4回日本芸術院賞を受賞。以後日展を中心に出品を続けて、日本芸術院会員となる。浮世絵の伝統に立ちながら現代風俗に挑んで、芸術性の高い新しい画境を築き上げた。

「 鏡獅子(かがみじし) 」伊東深水
第15回帝展
昭和9年制作

個人蔵(後期展示)
「 指 」伊東深水
平和記念東京博覧会美術展・二等銀牌
大正11年制作

個人蔵(前期展示)
主催: 名都美術館・朝日新聞社・メ〜テレ
後援: 長久手町・愛知県教育委員会・名古屋市教育委員会・
長久手町教育委員会
入館料: 一般1 ,000 円、大学生 700 円、中高生 500 円、小学生以下無料

♪イベントのご紹介♪
※下記イベントは終了致しました。ご好評を頂きまして有難うございました。
◆記念講演会「美しさの発見」
       松伯美術館館長 日本画家 上村 淳之 氏

       10月19日(日) 14:00〜 
       *受付13:15〜(光のホール入口前にて行います)

       長久手町文化の家 光のホール
       定員:100名

◆「涂善祥[とぜんしょう]中国琵琶の世界〜遥かなる悠久の調べ」
       中国琵琶:涂善祥(とぜんしょう) 氏
       ピアノ:マリ・リー 氏
       ソプラノ:矢野 留美 氏

       11月1日(土) 18:00〜 *(17:00〜18:00は館内をご観覧頂けます)

       名都美術館 ロビー
       定員:50名

◆「美人画に託した松園の思い」
       松伯美術館 学芸員 鬼頭 美奈子 氏

       11月9日(日) 14:00〜 

       名都美術館 集会室
       定員:50名

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