明治22年に、川島織物(現 川島織物セルコン)の二代 川島甚兵衞氏が京都の三条高倉に開設した「織物参考館」は、最も古い企業博物館です。翌年、帝国博物館総長 九鬼隆一氏によって「川島織物博物假館」と名付けられました。その後、昭和59年に京都の市原の里に移設され、「織物文化館」と名称を変えました。
現在、織物文化館では、世界各国の様々な染織品と、織物製作の歴史の中で、それぞれの作品のためだけに一流画家によって描かれた原画や、織物原寸大の織下絵など、製作過程の試行錯誤を知ることができる貴重な資料を保存しています。
本展では、明治〜大正にかけて世界各国で開催された万国博覧会や国内の勧業博覧会に出品して受賞を重ねた室内装飾の綴織[の原画や織下絵と合わせて部分的に織られたものも展覧します。他にも日本初ともいわれる帯地のサンプル帳など、初公開のものも少なくありません。
“ものづくり”にかけた想いを感じていただければ幸いと存じます。